みんな、こわがってるんだよ。間違えたり、はみ出したりすることを。今こそ、そんなの大したことじゃないって知るべきだと思うね。


interview:インザーギ崎山




だって、ちゃんと練習してるもん(笑)

kyg インザーギ崎山(以下イ)「2月7日のlive(STAn自主企画「SAY YES」)、とってもよかったです!」
kyg(以下k)「ありがとう!」
イ「自分たちではどんな感触でしたか?」
k「楽しかったよ。」
イ「僕はごく初期のSTANから見てますが、最近のSTAnのliveは今までで一番いいカンジになってきてると思います。」
k「そっかー。それはよかった。」
イ「自分達ではそんな実感はないですか?」
k「まあ、あるっちゃーあるかな。」
イ「どんな部分であるっちゃーあると思いますか?」
k「だって、ちゃんと練習してるもん(笑)」
イ「えっ!(笑)以前はあんまりちゃんと練習してなかったんですか?」
k「うん。そうみたいだね。今思い返すとそういうことになるね。当時はちゃんと練習してるつもりだったんだけどね。ま、あと、やっぱエムちゃんがいいよね。」
イ「中嶋さんの加入は大きかったですか、やっぱり。」
k「うん、でかいね!なんつったってベースが聞こえるからね!」
イ「なんすかそれ(笑)。今西さんのときはベースが聞こえなかったんですか?」
k「うん、あんまね。だって、あいつ、何千円とかのベース使ってたから(笑)。でもまあ、それを差し引いてもエムちゃんの加入はデカかったよ。」



いや、なんだろ。あんま深く考えてないんだよね。

イ「そして、そんなこんなでやっと新作を出してくれましたね。新作が世に出た今の率直な気持ちを教えてください。」
k「いやぁ〜まあ、新作っつっても、ずーっとliveでは演ってた曲たちだからね〜。なんだろう、やっと出せたーー!ってカンジかな。お待たせしました!っていうか。」
イ「しかも無料ということで。ビックリしましたよ。」
k「フフフ」
イ「なぜ無料なんですか?お金とってもよかったんじゃないですか?」
k「うん」
イ「いや、だって、STAnは今、こう言っちゃなんだけど、そんなに恵まれた状況にはいないわけじゃないですか。」
k「うん」
イ「500円でも1000円でも払う人はいると思いますよ。ファンとしてはそれでちょっとは潤ってもらいたいわけですよ。」
k「そうか。そういうもんなのか。ありがたいね。」
イ「なぜ無料なんですか?」
k「う〜ん。なんでだろ。わかんない。勘かな。」
イ「勘すか(笑)。」
kyg k「いや、なんだろ。あんま深く考えてないんだよね。色んな人への感謝の気持ちと、色んな人に聴いてもらいたいのと、、、まあ、そのへんだよね。で、そういう気持ちがぼんやりしたものじゃなくて、かなりハッキリとしたものだったから、そうなったんじゃないかな。」
イ「なるほど。そういうことなんですね。なんとなくわかりました。でもいつかお金払わせてくださいね。」
k「うん。ありがとう。そん時は五億くらいもらう!」
イ「五億(笑)。えーっと、それではそろそろ肝心の作品の内容を聞きたいと思います。が、その前にひとつ気になることがあります。なぜ歌詞カードを付けなかったんですか?」
k「あー、それはね、まず、自主制作でそこまでやるのが面倒臭かった&時間がなかったっていうのがあるよね。」
イ「でも、この歌詞は、スピーカーから聞こえてくる感じでしか言えませんが、発表した方がいいような気がします。あくまで個人的な意見ですが。」
k「いや、だから、もちろんいずれ公表すると思うよ。」
イ「是非そうしてください。」
k「うん。でもね、あとはね〜、ぶっちゃけね〜、歌詞だとかバンド名だとか、そういうのをクレジットしちゃってね、それで手に取った人が余計な先入観を持っちゃうのを避けたかったっていうのもあるよ。単純に音楽と向き合って欲しいっていうかね。ま、これね、ツェッペリンが四枚目でやったことなんだけど。『天国への階段』の歌詞以外何にもクレジットしないっていう。」
イ「ああ!(笑)あの商業的自殺と言われたアレですね。」
k「そうそう、あの商業的自殺と言われたアレ(笑)。ま、でも実際は、その四枚目が一番売れたみたいなんだけどね!イエ〜イ!どこが商業的自殺だ〜!ザマーミロ〜!ツェッペリンかっこいい〜〜!」
イ「イエ〜イ!・・って、まあ、わかりました。何はともあれ、いつか歌詞が知りたいのでよろしくお願いします。」
k「うん。ツェッペリンイエ〜イ!」



別に反抗なんかしたくないんだけどさ。反抗せざるをえないくらい、気にくわないんだよね。

イ「(微笑みながら無視して)それでは1曲目『Rough diamond future』。で、いいんですよね?iTunesで曲名が送られてきたときはビックリしましたよ(笑)」
k「ビックリしたっしょ(ニヤリ)。この曲はオレが家で作ってきた曲。バンドアレンジを考えるのにめっちゃ時間がかかって、何度もボツになりそうだったね(笑)」
イ「こんないい曲を!ボツにするなんてもったいないです!」
k「うん。だから頑張った。俺たち、頑張ったよ。」
イ「はい。頑張りましたね(笑)。作詞は簡単でしたか?」
k「うーん。どうだったかな。比較的簡単だったかな。うん。」
イ「サビがとても印象的ですが。」
k「“い〜よい〜よそんなんど〜でも〜♪”ね。たぶんそれが最初にできたんじゃないかな。で、残りはそれに合わせて作ったっていうか。」
イ「でも、そんなサビなのに、面白い事に、ラヴソングですよね。」
k「ああ〜そうだね。ラヴソングだね。ってゆーか、オレ、本質的にはラヴソングしかやりたくない人なんだよね、たぶん。」
イ「えっ、そうなんですか。“スタンマジヤバい”とかは、あんまなんですか?」
k「あ〜。いや、まあ、それはね、あんまってことはないけどね、ギャグとしては面白いとは思うけどね、オレ一人で作ってる時にはそんな言葉は出てこないよね、やっぱり。バンドがね、オレにそう言わせる時があるね。」
イ「それはバンドの演奏なりグルーヴが、そういう言葉をチョイスさせるってこと?」
k「うん。それは確実にある。つってもオレが考えてるわけだから、オレ個人の何らかのフィルターを通ってるとは思うけど。」
イ「面白いですね〜。ってことは二曲目の『Born to be mild』なんかも、わりとバンドのグルーヴによって導かれた歌詞なんじゃないですか?」
k「yes。」
イ「やっぱり。この曲はSTAnのユルいとこ、ノリノリなとこ、ふざけてるとこなどがうまい具合に混ざってて、めちゃめちゃいいと思います。」
k「ありがとう。この曲はなんつったってエムちゃんのベースに尽きるね。エムちゃんがあのベースを弾き出さなきゃ始まんなかった曲だからね。」
イ「たしかにベースがきいてます。・・・歌詞はどうですか?」
k「歌詞は、、、完全にギャグ(笑)。こういう曲が一番歌詞に困るんだよね〜。何歌っていいかさっぱりわかんなかったね、当初。たぶん今回の3曲の中で一番歌詞に時間くったね。」
イ「そうですかー。じゃあ、3曲目の『Nazca』なんかは逆に、歌詞はスルスルーって出来たんですか?」
k「うーんと、スルスルーっとはいかなかったと思うけど、煮詰まりはしなかったね。何を歌えばいいか、なんとなくわかってたから。『Born to be mild』みたいなグルーヴ中心の曲はさ、何を歌えばいいのかさっぱりわからないんだよね(笑)。特に言いたいこともないっていうか。このグルーヴだけでいいじゃん、みたいな。だからさ、そういう時は、『ULTRA〜』(「STAN」収録)みたいに逆ギレで自己紹介してみたり、『J.D.』(「STAN II」収録)みたいに逆ギレで歌詞ができない状態を歌ってみたりするんだよ(笑)」
イ「(笑)。でもそういう系の曲はそういう系の曲でSTAnの醍醐味でもあると思いますよ。」
k「まあね。それはわかってる。でも作詞はめんどくさい!」
イ「(笑)。では最後に、その『Nazca』ですが・・」
k「この曲もオレが家で作ってきた曲。これも『Rough diamond future』ほどじゃないけど、アレンジに苦労したなあ。。。」
イ「そうなんですか。ってことは、kygさんが家で作ってくる曲は大抵アレンジで苦労するんですかね?」
k「そのとーり!」
kyg イ「それはなぜなんですかね?」
k「知らん!それはよっきゅんに聞いてくれ!よっきゅんがいっつもうまく転がせるようになるまで時間がかかるから!」
イ「まあまあ・・(笑)。要するに、kygさんの世界観をバンドが理解して把握するまでに少し時間がかかるってことなんじゃないですかね?」
k「まあ、そういうことだね。崎ちゃん、うまいことまとめてくれてありがとう(笑)。」
イ「いえいえ、どういたしまして。ところで、さっき、“『Nazca』は何を歌えばいいかなんとなくわかっていた”と言ってましたが、それについてもう少し詳しく教えて頂けませんか?」
k「えーっとね。この曲のポイントは三つあるんだよね。」
イ「というと?」
k「一つはナスカの地上絵、一つはストーンズ、一つはテロ。」
イ「・・・はい。」
k「ナスカの地上絵はね、誰が何のために書いたか謎なんだよね。でもね、オレにはね、ナスカの地上絵を書いた人がなんであれを書いたのか、なんとなくわかるんだ。」
イ「・・はあ・・。」
k「で、よくよく考えてみたら、オレの音楽って、ナスカの地上絵に似てるんだよね。なんか。・・・って、こんなこと言われても意味わかんないと思うけど(笑)。だけど、なぜか、オレは強くそう思うんだ。だから、“確かにオレはナスカの地上絵を描いてる”。」
イ「・・・なるほど・・」
k「で、そんな気持ちをストーンズ的なスピリットで表現したいなと思ったんだよね。悪魔との接見っていうか。自分の中のどうしようもできないブルーズを吐き出すっていうか。」
イ「・・悪魔・・・ブルーズ・・。」
k「うん。でね、最初、『Sympathy for the terrorism』っていう曲名にしようと思ってたんだよね、実は。」
イ「!!」
k「まあ、それは誤解されそうだったからやめたけど。でもオレはテロを完全に否定することができないんだ。」
イ「・・・」
k「いや、もちろん、何の罪も無い人たちを巻き込んで、傷つけたり殺したりするのは最悪だと思うよ。」
イ「・・」
k「だけど、なんで彼らがそんなことをするのか考える必要がある。ってゆーか、そんなん普通考えなくてもわかると思うけど。気にくわないんだよ。アメリカが。そして、それ中心の世界が。」
イ「・・・」
k「で、オレの場合、アメリカっていうか、この、なんていうか、世界の現状であったり、日本の現状であったり、システム、思想、流行、世論・・・、まぁそれも突き詰めればアメリカに行き着くんだと思うんだけど、、、そういうのが大概、気にくわないんだよね。なぜか。別に反抗なんかしたくないんだけどさ。反抗せざるをえないくらい、気にくわないんだよね。不自然な気がしてしょうがないんだよね。」
イ「・・・」
k「まぁ、というわけで、それら三つのポイントをごちゃまぜにして歌えばいいってことがわかってたんだよね。」
イ「・・・って、めちゃくちゃ大変ですよね!それ!」
k「まあね。でも頭の中で確固たる確信があれば、案外簡単だよ。崎ちゃんにもできるよ。」
イ「できませんよ!いやあ〜〜〜〜・・。なんか・・すごいですね。」
k「そうかね。まあ、でもこの歌詞が出来上がったとき、自分でもなかなかうまくできたな、って思った気がする。」
イ「いや、なかなかどころかめちゃくちゃいいと思います。・・・それにしても『Sympathy for the terrorism』にならなくてよかったです。そんなことしたら、今の時代的に完全に干されますよ・・・。」
k「別に今だって干されてるようなもんじゃん(笑)。よっきゅんにもそんなようなこと言われたよ。オレ的には別に大したことじゃないと思ったんだけどなぁ。」
イ「いや、それはヤバイです。」
k「でもさ、ストーンズが『Sympathy for the devil』って言ったとき、やっぱり当時の社会から反発されたり誤解されたりしたんじゃないの?」
イ「それは・・したでしょうね。」
k「みんな、こわがってるんだよ。間違えたり、はみ出したりすることを。今こそ、そんなの大したことじゃないって知るべきだと思うね。」
イ「でも、kygさんは今まで割と誤解されてきたじゃないですか。そして、それに自分が一番傷ついたり悩んだりしてきましたよね。それなのに、なぜ、それでも、なお、そういうことをしたいと思うんでしょう?」
k「いい質問だね。それについてはオレ自身めちゃくちゃ考えた。」
イ「で、どうでした?」
k「いや、よくわかんなかった。たぶん、オレ、単純に、みんなに誤解されるようなことを言ったりやったりするのが好きなんだよ。」
イ「なんで?めんどくさいじゃないですか、そんなの。」
k「めんどくさいよ!マジで!でも、やっちゃうんだ。なぜか。自分でもわからないよ。とにかく、体が勝手に、そういうことを言ったりやったりしちゃうんだ。考えるよりも前なんだ。」
イ「大変ですね〜。でもきっとそういうのがあるが故の才能なんでしょうね。」
k「そうなのかなぁ。だとしたら相当めんどくさいよね。よし、辞めよう!音楽なんか辞めよう!農業しよう!」
イ「農業(笑)。」
k「ウルトラマグネティック農業!農業、マジヤバい!」
イ「結局、STAnじゃないすか(笑)」
k「そうだね(笑)」



何の保証もなく、“これからもずっと続きます”なんて無責任なこと、オレには言えない。

kyg イ「今後STAnはどういう活動をしていくつもりなんですか?」
k「基本、全くの、ノープラン。」
イ「ノープランすか(笑)。どこかの事務所とかレコード会社に属する気持ちはもうないんですか?」
k「いや、あるよ。ぶっちゃけ、めちゃめちゃあるよ(笑)。でも、どこもやってくれないだろ、俺たちなんか(笑)。全然売れてないし。言う事聞かないし(笑)。・・・でも、まぁ、ぶっちゃけ、オレたち側としても、“この人とめっちゃ仕事したいわ〜”っていう人がいないっていうのも事実なんだけどね。だから、今、自分たちで全部コントロールしてて、みんなに“偉いね〜”って言われるけど、別に偉くないから!こっちは泣く泣くこういう状態なんだっつーの!」
イ「そうなんですか(笑)。てっきり、自分たちで選んだ道なのかと思ってました。」
k「いや、そりゃもちろん、自分たちで選んだ道だよ。大いなる決断と責任を持って選んだ道だよ。でもさ、こういうやり方にはどこかで絶対限界がくるんだ。そのとき、絶対、誰かの力が必要になる。」
イ「つまり、今は別に大丈夫だけど、そのうち誰か外部の人と組むことはあるだろう、そういうことですか?」
k「うん。やってくれる人がいたらね(笑)。今のとこ、いなそうだけどね(笑)。」
イ「そんなことないんじゃないですか(笑)。」
k「そんなことあるんだよ!俺たち、業界じゃ、ほんと悪名高いんだから!・・まぁ、別にいいんだけどさ。ある意味、俺たちの今までの悪行のせいだから(笑)。自業自得なのさっ☆」
イ「なのさっ☆って・・。まあ、何にせよこれからもSTAnは続くと考えていいんですね?」
k「それはわかんない。」
イ「ええっ」
k「いや、だって、そんなん当たり前じゃん。複数の人が絡み合って何かを必死でやってる以上、いつだって様々な危機と隣り合わせなのは当然のことなんだ。もちろん、俺たちはそれを乗り越えていくつもりだけど、つもりだけじゃどうにもならない時だってあるんだ。だから、何の保証もなく、“これからもずっと続きます”なんて無責任なこと、オレには言えない。」
イ「・・・なんかアメジストの歌詞みたいですね。」
k「(笑)。いやぁ〜〜(照)。まあ、だから、オレはそういう人間なんだよ(照)。」
イ「すごくよくわかりました。今日はほんとにどうもありがとうございました!」
k「こちらこそどうもありがとう!」
イ「それではケーキを買ってきたので食べましょう!」
k「わ〜〜い!」
kyg






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